2009-01-01から1年間の記事一覧

海の雑感

久しぶりの本州の夏の海岸で目に付いたのは海の家である。欧米では見ない光景だ。あまりきれいでない砂浜と海水に加えて、さらに景観を壊している。海の家は昭和30年代なら普通の民家と変わらない光景だったかもしれないが、夏だけ立てる掘っ立て小屋は現代…

ガザと日本

さらに戦争についての話だが、ガザと日本の相似点を半年前のイスラエル紙が述べていた。 昨年末、米国の政権交代で世界のポリスマンが実質的に不在となった12月から1月にかけて、2つの暴力行為が目に付いた。一つはイスラエルのガザ侵攻であり、もう一つはロ…

無視できぬ外の視線(その2)

日本のもの作りの伝統はドイツの工業技術の伝統に近いものがある。両方とも工業技術国であり民族主義の色がある。また集団として色に染まりやすい。極端な言い方をすれば、モノとの対話が得意で他人(他国)との対話や感情表現が苦手である。そして両国とも…

公益企業のあり方

米国では電気、ガス、通信、交通などの公益事業に関する規制は州ごとに実施されており、いずれの州も公益事業規制委員会(Public Utility Committee: PUCまたはPublic Service Committee: PSC)を設置している。また欧州でもエネルギー部門はフランスのCRE、…

水の国ニッポン

水に流す、水臭い、水掛け論、湯水のように使う、など日本語には水を用いた表現が多い。日本には河川が多く水資源が豊かであることが良く分かる。またトイレに関しても西洋式の瓶(かめ)の上に座る方式ではなく、日本では厠(川屋)というように流水にまた…

閑中句あり(の駄作)

嵐過ぎ 風の陰にも 秋を感じる

平和ボケと安全ボケ

先月の山口県防府市での豪雨被害に続いて、今週、兵庫県佐用町でも被害が出た。防府市が住民に避難勧告を出したのは、災害発生後だった。同市ではその日の午前に観測史上最大の時間雨量70.5ミリという異常降雨を計測していた。(昨日記したように東京都の下…

麻生自民党の本質

麻生首相が野田市での演説で、「(終戦時の首相の)鈴木貫太郎先生が『(戦争は)負けっぷりは良くせにゃいかん』と話している。」と述べた。 第一に当時の首相を先生呼ばわりすることに問題がある。以前にも述べたように、国会議員がお互いに先生呼ばわりす…

エネルギー時評

英国ガス会社のセントリカがフランス電力と共同で英国原子力発電会社ブリティッシュ・エナジー(BE)を買収したが、最近、セントリカはさらに英国の公正取引局から原発の電力の20%の引き取り権を認められた。 フランス電力は国営電力として、温暖化ガスを排…

軸の無い自公政権

橋下知事と中田宏市長の「首長連合」が衆院選での民主党支持を打ち出した。橋元氏は府議会与党である自民、公明に反旗を翻すことになる判断して「(知事選で)投票してくれた人は納得しないと思う」と弱気の発言だったようだ。また自民党のベテラン府議は「…

キャンパスは憩い

大学のキャンパスが好きだ。まず音圧レベルが一定で、携帯の着信音、電車の発車音、宝くじの西田敏行のだみ声のスピーカー音がない。生活者がいないからカラスも少ない。 景色も建物と緑の木々がある。どぎつい色の看板もない。派手な宣伝文字やタレントの顔…

やましき沈黙

太平湯戦争の敗戦記念日が近づくと戦争に関するテレビ番組が増えてくる。 そして最近の番組で日本海軍の行動に関して「やましき沈黙」という表現があった。特別攻撃隊(特攻)を編成した海軍・軍令部の殺人性に対して、人道的な見地から特攻作戦に反対する意…

水害と対策(その2)

前掲の「水害マップ」だが、当該の住民への周知徹底の方法が問題だ。区役所で水害マップを作成して各戸に配るのは基本だが、一般的に豪雨となる入梅前に毎年、注意を喚起する行動を取っているだろうか? 米国では夏後半のハリケーン・シーズンを前に、メキシ…

水害と対策

米国を襲った2005年のハリケーン・カトリーナの9か月後に現地調査に入った。以前から堤防の脆弱性が指摘されていたが堤防が強化されることなく甚大な被害となった。ニューオーリンズの被災地は最初に決壊した堤防から流れた水で家が押し倒され、さらに反対側…

機能と情報

昨年、米国の電気自動車のセミナーで、「プラグイン・ハイブリッド車に搭載されているリチウムイオン電池は急速充電すると電池の耐用年数が急速に減少し、寿命が約2/3になる。」と聞いた。 今年に入って日本で車の電池メーカーの人にこの話をすると、「リチ…

ブラック川柳駄選

<飛び込み自殺防止に> 飛び込めば 遺族みんなが 地獄行き <交通マナー> 空席は ダッシュできない 人のもの <交通マナー 続き> 腹の出た あなたに座る 権利なし (妊婦の方を除く) <携帯マナー> 携帯に 車内で出るほど 価値はなし <喫煙マナー> 副…

無視できぬ外の視線

民主党のマニフェストの内容に関して“ディスクロージャー”の考え方は支持できるとの意見を述べた人がいた。要するに情報開示の必要性の認識である。 米国のオバマ大統領が今年1月に就任直後に最初に起こした行動が、政府関係者における利害相反の払拭のため…

読み間違えと語りかけ

麻生氏がまた読み間違いを起こした。傷跡(きずあと)をしょうせきと読んだ。長崎の被爆者の方々対する心が込められていないとの批判が出た。 自民党のマニフェストは大手広告代理店の作成だという見方がある。自民党の国会答弁も役所の作成した文書を読んで…

衆議院選挙の報道から

衆議院選挙が近づくにつれて、政治番組が増えてきた。さらにさまざまな視点での政権交代に関する議論が活発だ。その中でとくに感じた点を挙げてみる。 まず、2005年の郵政選挙以降の自民党の結果責任だ。この総括をしないで自民党がなにを掲げても、受験…

モラルとマナー

先日も都内のJR車内で空席に突進してきた中年の女性を見かけた。日本語を連れの男性と話していたから日本人だ。彼女は突進する体力があるのだからハンデイキャップのある人ではない。座る必要がある人が(それこそ体力が無いから)ゆっくり乗車しても間に…

挨拶と礼儀について

日本人にはもてなしの心があると言われる。昔の日本だけでなく、中国や韓国も昔はそうだったのであろう。しかし、挨拶と礼儀に関してはどうだろうか。 日本には目礼という表現がある。言葉やジェスチャーでの表現はさけて目で言うわけだ。これでは日本人はわ…

グリーン・ニューディールについて(その2)

エネルギーのビジョンについては、エネルギー政策と環境政策は英国や米国の例にあるように、次第に協調する動きが海外で見られている。一方、日本ではエネルギーはエネ庁、環境は環境省と対立軸に置かれている。これではエネルギー・環境問題を解決する「グ…

グリーン・ニューディールについて(その1)

グリーン・ニューディールについては現状の制度とビジョンについては明確な表現が必要だと思う。 まず、現状の制度だが、日本のエネルギー供給構造はまさしくプロバイダーロジックの塊である。それは例えば電気事業分科会などを見れば一目瞭然でそこに出席す…

喫煙とルール

フランスでは今年4月から飲食店は全面禁煙になったし、米国ではオバマ大統領がタバコ規制強化を行っている。米国ではすでに公共の場所やレストランでは全面禁煙であり、欧米から日本に戻ると飲食店での喫煙者の多さに改めて驚かされる。禁煙の徹底は禁煙者の…

酒のマナーと個人主義

米国の西海岸のある公園はアルコール・フリー、つまり酒類の持込と飲酒が禁止である。これは日本の酒文化と相容れないかもしれないいが、酒とタバコに関する日本人の考え方を再点検すべきである。 日本人は白人に比べて酒が弱い。肝臓の分解機能が弱いからと…

企業グループを超えたオープン・スタンダードの必要性

7月25日の「ガラパゴスのモノ作り」に書いた内容に関して若干の進展が見られた。今朝の日経に「日産自動車、三菱自動車、富士重工業と東京電力が、電気自動車(EV)用の急速充電器の普及加速を狙って連携する。EVの普及に欠かせない充電インフラの整備に…

社会の変化に期待

7月20日の「ヒーローのかたち」で書いた内容に近い変化があった。 今朝の読売新聞は「今年に入ってコンビニ店を狙った強盗事件が相次いでいることを受け、事件抑止の一環で栃木県警は、コンビニ店に限って警察官が制服姿で弁当などの買い物をすることを解禁…

ウェークアップ・コール

自民党が負け、民主党が勝っても、今後の我が国の政治は動乱期に入ったという見方が強い。それによって霞ヶ関も、予算の組み替えを含め、新たな行政運営を余儀なくされるだろう。 産業界の一部では、「今後の経済の行方が分からない。」「今までの経営方針を…

規制強化による変化?

今回の衆議院選挙の争点の一つとして、小泉・竹中路線から反小泉政策への転換に対する国民の判断という見方が論じられている。小さい政府による市場主義から大きな政府による管理主義への変化とも言われている。それにともなって産業界からは産業構造の再編…

モノ作りと経営力

我が国はモノ作り国家であり優秀なエンジニアが多く存在する。しかし、エンジニアには自ら作り上げたものへの愛着があるのと同時にその限界を過度に認識する傾向がある。つまり自らが自らの作品の限界を信じすぎ(あるいは満足しすぎ)、また改善ためのハー…