酒のマナーと個人主義

米国の西海岸のある公園はアルコール・フリー、つまり酒類の持込と飲酒が禁止である。これは日本の酒文化と相容れないかもしれないいが、酒とタバコに関する日本人の考え方を再点検すべきである。
日本人は白人に比べて酒が弱い。肝臓の分解機能が弱いからと言われている。それなのにどこかのタレントのように、酒を飲んでいたから全裸になった、とか、酒を飲んでいたから記憶にない、といった行動を取り、それを酒のせいにする大人が多く存在する日本は希な国である。とくに集団での飲酒で我を忘れる、あるいは忘れようとする因習がある。恥を重んじる文化の割には、旅の恥は掻き捨て、酒で同じ恥をかけば仲間、などという衆愚の傾向もある。
精神的に日本人は幼いから、ではすまされない。集団になると自己責任を簡単に失うのは、社会の中の個人責任という感覚が希薄だからである。集団の和を強調する教育のみを重視する結果、集団で酒を飲むとすぐにだらしのない「大人でない大人」になってしまう。個人の独立性の教育を子供の頃から実施すべきである。
飲酒運転は厳罰に処する法律が全米で導入されつつあるし、酒の効用とリスクをもっと議論すべきである。