2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

東電社員の悲劇

福島原発事故は制度災害、そして人災である。もちろん、被災された方、避難された方、今後何十年にもわたって土地を奪われ、生活を奪われた福島県をはじめとする東北県民の方々の辛く厳しい状況は、何事、何人にも比較はできない。できるとすればチェルノブ…

宗教法人九州電力

九電の真鍋社長が続投すると言う。 そう言えば海江田氏が辞めさせる発言をした記憶があるが、行政は九電に何も言えないのだろうか。それは九電が独占供給、規制料金で収益と会社存続を国に守られていながら、「民間企業だから」というわけだろう。 とすれば…

原発廃止と東電解体の目的があるとすれば

東電の松本原子力本部部長代理が黒塗りの報告書を提出して問題となった。東電の「ふざけた態度」とコメントするジャーナリストもいる。 しかし、彼らは至って真面目である。原発事故当初、東電の幹部が被災地を訪れた時、確かに天皇陛下よりも頭が高かったが…

発電所の売却と正しい脱原発コスト計算を

枝野経産相の言うような「電力会社のぎりぎりのリストラ」は供給を不安定にさせる。それよりも資産売却が先だ。人のコストを切り詰める前に、電力事業の構造の見直しが必要なのである。 また実施すべき資産売却は送電網ではなく発電所である。有識者がいろい…

ぼやき庵がタニマチだったら(妄想!)

(あり得ないことだが)もしもぼやき庵がタニマチだったら、以下の策略を練るだろう。 *若い女性の党首の新生緑の党を作る。 *党首には土井香苗氏のような端正で法律経験があり主張のある人材が望ましい。 *ブレインには経産省改革派、河野太郎氏、古賀茂…

自民党を超えた民主ネオコン政権

とうとう野田首相が米国で原発再稼働を宣言した。これに官房長官もタイミングを合わせて、原発再稼働の判断時期を2月に前倒しした。 さらに枝野経産相が改革派官僚の処遇について判断を役所側に丸投げした。 これで経産省の守旧派と経団連は拍手喝さいだ。 …

東電の賠償チームの組織論

東電の賠償チームは5000人規模という。さらに数千人の追加動員があるかもしれない。 それだけ原発事故は企業組織の再編を伴う。ここで考えなければならないのは、①この五千人が今までは何をしてきた人たちで今までの業務に支障はないのか、②誰がどのようにし…

電気・ガスを買い手市場に

東電の部厚い賠償請求書類に苦情が殺到し、枝野経産相が「あぜんとした」と表明、その後やっと東電の廣瀬常務が「お詫び」となった。最後にお詫びをするくらいなら、最初からきちんと被災者目線になれなかったのか、未だに東電の「上から目線」体質は全く変…

東電のリストラ案は絶対に甘い

東電の西沢社長が追加策として、リストラ案や不動産の売却を検討していると言う。 そもそも本来は倒産、解体、経営者責任を問われるはずの東電が、政治的な延命策で生きながらえているのに、全く本質的な資産売却案が上がってこない。 繰り返すが、本質的な…

来夏までに再稼働の意味

野田首相がNYでのインタビューで「地元の合意があれば来夏までに原発の再稼働」と発言し、原発は日本の電力供給に欠かせないという認識を示した。 比較すれば、菅前首相は原発の廃止を訴え、鉢呂氏もゼロ原発を言っていた(から辞めさせられた)。そう言えば…

増税や国民負担の前にすべきこと

増税ありきの野田政権が船出した。 しかし、増税の前にすべきことがたくさんある、と世論が気付いた点もあるし、気づいていない点もある。 最近の話題は、米国債の償還と省庁の調達品の競り下がり(オークション調達)だ。前者では毎年の償還金を米国債に再…

これが最後の切り札?

経産相に枝野氏が任命されることとなった。これで一安心だが、野田首相は「鉢呂氏の後任人事で、政権の立て直しのために能力を重視した。」と言われていることが驚きだ。 つまり、鉢呂氏は能力が無いがバランス人事だけで登用した、ということになる。これは…

民主党の人材不足

ぼやき庵で心配していた通り、鉢呂氏の能力の低さが露呈した。おととい書いた「次の経産相の人選開始を」が現実となった。 鉢呂経産相の入閣を、岡田前民主党幹事長が野田首相に要請していたという。野田首相は岡田氏の推薦を信じていたとすれば、岡田氏の眼…

あーぁ、やっちゃった

ぼやき庵で最近、心配していた鉢呂経産相が「死のまち」発言をしてしまった。 やっぱり、あーぁ、という感である。 昨日の野田首相の福島訪問の同行した鉢呂氏。テレビで見ても、どことなくぎこちないし、野田氏が演説したり、地元の方に声をかけている時に…

経産相の原発ゼロ発言に

衝撃と困惑が原発を建設・計画している自治体および電力会社に走ったという。 先日、社民党の福島党首がテレビで「代表選によって民主党の候補者が脱原発寄りになった」と述べていた。 代表選に際して、民主党員の「常識」が野田氏を勝たせたと言われている…

電力の守勢は続く

今朝の日経の1面には編集委員 滝順一氏が「電力改革 原発再稼働から」という記事を載せている。 これはおそらく、昨日、原発ゼロ発言が飛び出した新経産相の鉢呂氏に対抗する形で、電力会社が日経に要請したのではないか。 日経は経産省の機嫌を取りながら…

増税と東電値上げ

家庭用電気料金は現在、自由化されておらず規制料金だ。電気料金は税金とほぼ同じで強制的に徴収される意味で、電気料金支払者のことを英語ではrate payerと呼び(料金負担者)、納税者tax payerと同義語となっている。 野田政権の増税案が国民の理解を得ら…

豪雨への備え

地球温暖化のせいだろうか、テレビで放映される被災者の方々がしばしば「こんなにひどい豪雨は生まれて初めてだ」と言っている。それこそ想定外の降雨量だということである。 以前、水害調査をしたことがある。ニューオーリーンズ、そして南九州に行った。 …

空洞化とは言わない

ある米国テレビドラマで「謝るのは弱さの表れだ。」というセリフが記憶に残っている。 日本人はすぐに謝りすぎる。土下座すれば、謝れば、辞めれば、腹をきれば潔いという文化だが、その責任はどうするのか。残った人間はどうするのか。 今回の閣僚たちも「…

ティッシュペーパーのように捨てられた海江田便利氏

海江田氏は今年の夏、最初に菅氏に梯子をはずされた。佐賀県知事に原発再稼働を許可する方向を伝えていたが、その直後にストレステストの実施を菅氏が発表して顔をつぶされた。 次に小沢氏の捨て駒である。小沢氏は代表選の候補選びに難航すると仕方なく海江…

2割を超えたドイツの新エネ比率

ドイツの全国紙シュピーゲル・オンラインによると、ドイツの今年前半の発電量のうち20.8%が再生可能エネルギーからの電力となった。太陽光が3.5%、風力が 7.5%を占める。 米国エネルギー省のエネルギー情報局は今年初めの米国の再生可能エネルギーの発電に…

霞が関の改革派に期待するしかない

鉢呂経産相がエネルギー政策について「エネルギー・環境会議と連携して、総合資源エネルギー調査会を9月中に立ち上げる。」と述べた。この総合資源エネルギー調査会は経産省の中ですでに立ち上げが決まっていた。つまり誰が大臣になってもこのストーリーは…

エネルギー政策の行方は

鉢呂氏が原発とエネルギー政策を管掌する経産相になった。 鉢呂氏は北海道農協出身で、自身のサイトでも農政・1次産業のプロと述べているが、大丈夫だろうか。 日本の農業もJAが流通を地域分断しているが、これに慣れ親しんだ鉢呂氏が日本の地域独占の電力体…

良識への挑戦

米原子力規制委員会は、8月25日の地震でドミニオン・リソース社の原発にある25本の使用済み核燃料を入れるキャスクが 1〜4.5インチ移動したと発表し、地震による原子炉の安全基準を高める方針だ。 一方、原発事故の検証も、原発の地震・津波対策もストレステ…

高橋知事の豹変

経産省出身の北海道の高橋知事は記者会見で、泊原発3号機のプルサーマル計画をめぐるシンポジウムでの「やらせ」問題が、定期検査中の1、2号機の再稼働の判断に「少なからず影響が出る」と述べた。 先月中旬に全国に先駆けて3号機を再稼働させたが、「真…