2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

無為無策のツケ

日本は昨年10月、兵器開発問題をかかえるイランへの制裁措置をめぐり、米政府の要求に従って、権益を持つイラン南西部・アザデガン油田開発から完全撤退している。これは自主開発油田政策の失敗というよりも、無為無策のエネルギー政策の顕著な例と言える。 …

石油ショックに備えよ

中東の専門家によると、サウジアラビアでの民主化の動きの可能性が今週の金曜を目途に高まっているという。サウジでの民主化に火がつけば、国際原油価格はさらに高騰を続け、資源小国の日本にとって打撃となる。それは国民生活にも大きな影響をもたらすが、…

日本政府の歴史認識の欠如

フランスのサルコジ大統領は、今回のアラブ民主化運動の余波を受けて、わずか3カ月で再び内閣改造を行った。 主な動きはミシェル・アリヨ・マリー外相の更迭である。彼女は12月にチュジニアで休暇を過ごした際にベンアリ氏の家族に近い人間のビジネスジェッ…

リビア制裁が国連安保理で決議されたが

様々な識者の意見では、リビアに対する必要な措置は以下の通りである。 1)アラブ軍の投入 2)アフリカからのリビア外国軍支援の航空機のリビアへの飛行禁止 3)民主化グループへの医療支援と食糧支援 これらは非常に具体的であり、EUと米国が湾岸諸国の…

アラブ民主化が可視化したもの

今回のMENA諸国(中東北アフリカ)での民主化運動は、これら地域における極度の貧富の差、親欧米アラブ政権の圧政、民族の誇りと民主主義への渇望が引き金になっている。 そしてそれらの動きが可視化したものは、新自由主義(極端な市場経済モデル)の拙速な…

飼い犬に手を噛まれた、油まみれの英米伊

ガダフィ氏の民衆虐殺がトリポリで息を吹き返している。これらの惨殺に加わっているのが、(多くの軍部が民衆側に着いたが)一部の政府軍とアフリカからの外人部隊である。 また、これらの銃撃に用いられている銃器弾薬は、英米伊がリビアに提供してきたもの…

ガダフィ氏と小沢氏

両者に共通しているのは、 *国民が辞めろと言っても辞めない *自分の権力への強い執着で国内の政治と経済を混乱に陥れた *国内のひずんだ政治制度を利用して権力拡大した(日本は小選挙区制と比例代表制) *さまざまな不正な取引で私財を増やした 異なる…

NZ地震の災禍

NZは日本と同じように太平洋プレートの西端に位置しており、プレートが潜り込む地震の巣の上にある。そしてNZのクライストチャーチでは昨年9月にもM7を超える地震があった。 今回の地震では昨年9月よりも震源地が浅く、そして都市に近いため大きな被害と多く…

一日も早い石油依存からの脱却を

リビアのカダフィ氏の次男Seif氏がテレビで国民に向かい、「このまま反政府運動が続けば、リビアは血の海になる。」と述べたことは、まさしく彼の特権と大きな誤解を表わしていた。 彼はたんにカダフィ氏の次男というだけで、貧困層が国民の1/3に達し失業率…

政治の不作為が経済の屋台骨を揺るがす

イタリアのベルルスコーニ首相は、自分の買春容疑だけでなく、リビアの民主化運動でさらに大きな打撃を受けている。 リビアはイタリアの旧植民地であるだけでなく、リビア産の石油とガスがイタリアの国営石油会社Eniの巨大資源であるからだ。実際、イタリア…

民主党衆院会派からの離脱届を提出した渡辺浩一郎氏ら16議員へのメッセージ

給料泥棒 国会議員の機能不全 16人には政党政治に対する理念、選挙制度に対する基本的理解がない 国会議員の資質がノーチェックの比例代表制 小沢流の単なる票の数合わせの道具だったことを自ら反省すべき 民意を党にゆだねる、比例代表のシステムは破棄すべ…

中東コメント・クリップ

中東関係の専門家である佐々木良昭氏によると「リビアの力による大衆抑圧が成功すれば、他のアラブの国の元首も、真似をするかもしれない。」とある。さらに同氏は「エジプトのムバーラク大統領を逮捕しなければ、彼の懇意だったタンターウイ国防大臣がムバ…

無能な日本国外務省は解体を

EUはMENA中東・北アフリカ諸国の民主化や経済振興に対するEUの支援を表明した。さらにEUは支援策の具体化に向け、欧州投資銀行(EIB)を交えた協議を重ねると報道されている。 一方、日本の外務省は21日、反政府デモで情勢が緊迫化するリビア全土に「渡航の…

バハレーンに見る権力側の姿勢

バハレーンでは戦車が退却し市民の真珠広場での抗議行動は一応収まったという。そこでCNNがバハレーンの皇太子にインタビューしている。 彼は王の指示で、民主化運動派たちとの話し合いと和解を求めているという。そして彼がその責任者になったわけである。…

中東民主化のロードマップを

アラブ連盟のアムル・ムーサ事務総長が次期大統領候補に出馬することを考えている。そして現在の暫定政権も軍部もこれを支持するだろう。また彼はブルームバーグとのインタビューで「1年後には中東には民主化の風が吹いているだろう。」との期待感を述べてい…

米国はアラブ民主化の支援を

中東では、米国の庇護のもとの<独裁権力下の>疑似民主主義から、アラブ民衆のもとのアラブ民主主義へ移行が始まった。それと同時に米国の庇護のもとにあるイスラエルの孤立化も強まっている。その結果、米国はイスラエル制裁の国連安保理決議に拒否権を発…

資源小国の日本は独自のアラブ民主化支援の政策の軸をもて

明日、金曜の国連安保理でのイスラエル入植拡大に反対するパレスチナ側の決議案に対する、米国とイスラエルの反応は、アラブ諸国に起きている民主化運動を反米運動に変えてしまう危険性がある。 さらにバハレーンで起きている王族体制側の過激な暴行は、第5…

鳩山氏の報道停止を

鳩山前首相の暴言が続く。読売新聞は「放言」と書くが、これらは常軌を逸した暴言である。 小沢氏の民主党党員資格停止の実施が近付いている。確かに現行の法体系での小沢氏の行動の違法性は争えないようだが、小沢氏の倫理観の明確な欠如は政治家にとって致…

日本にも外交think-tankを

外務省とは何なのか?そして外務省の護る国益とは?外務省に対する批判が多い。例を挙げれば、 *普天間基地の移設問題での不作為。防衛省との確執と省益だけが行動目的か。 *尖閣問題での説明責任の不在。 *北方領土での不作為と外交の失敗。2島返還策の…

行政エリートが不滅の日本

「行政特権者の圧政」はムバーラク政権とその高級官僚だけを示しているのではない。 先刻、YouTUBEにアップされた竹原前市長の検察との録音を聞いて感じた、日本の地方自治体の封建制度に関する感想である。 エジプトの政府と高級官僚は、イスラエルとの安定…

お粗末な日本の報道

13日の朝日新聞電子版が「パレスチナ解放機構(PLO)の、イスラエルとの和平を担当していたエラカート交渉局長の辞任で、パレスチナとイスラエルの和平交渉が一層停滞することは避けられない」と報道している。 しかし エラカート氏の辞任は、アッバス氏…

アラブの明日は

エジプト革命が成功し、エジプトに文民政府が誕生し存続するには、現在の評議会を主宰するタンタウィ国防相の、真剣に軍政を文民政府に移管する決意と実行力がカギとなると思われる。 さもなければ1985年のスーダンの革命のように3年で文民政府が終わる可能…

エジプト雑感

18日間におよぶエジプト革命によって、ムバーラク大統領が大統領を辞任した。 最後まで辞任したくないムバーラク氏に引導を渡したのは、これ以上混乱が続くと王族支配が危ぶまれる、周辺諸国からの圧力ではなかったのか。そして彼の辞任こそが、彼の懸念して…

八百長は相撲だけか

日本全体が八百長とも言えなくもない。 それは日本が単一民族であり、閉鎖性の強い社会をもち、お互いが持ちつ持たれつ、という風土があるからである。政治もそうだし、大企業の昇進、人事、役所のやり方もそうだ。 さらに日本の学界の人事もそうだし、学識…

当たり前の話

日経に「民主に「愛知ショック」 執行部・小沢系とも消沈」とあるが、まったく当たり前の話である。 際どいたとえだが、阿久根市、名古屋の河村氏、エジプト革命、すべて共通点がある。 それは政治家や議員たちの時代錯誤への挑戦であり、その背景には民衆か…

エジプトは沈静化?

エジプト革命は沈静化しつつある。ある意味では民主化の勝利とともに、老練な政治家であるムバラク氏の勝利であるのかもしれない。 いずれにしても即座にムバラク氏が退陣すれば、今の日本と同じカオスとなっていただろう。つまりリーダー不在のまま新体制に…

チュジジアと日本

日本は先進国の驕りで昨年12月に外相や経済界が一団となってチュニジアを訪れ、さまざまな経済協力の覚書を締結した。何の現地情報もない政府は、全く無意味な使節団を送るという失態を犯した。 しかしチュニジアの国民にとっては、「まだ専制政治は続いてお…

トルコのリーダーシップ

エジプト革命以来、トルコの政治的成功はイスラム社会の成功モデルとして見直されている。 前回の米国大統領選挙で見事に負けた共和党のマケイン氏は、CNNのインタビューに応えて、「エジプトなどすべての国で急先鋒のラジカルなイスラムの影響の危険がある…

エジプト時評

NHKがエジプトの反政府デモを「暴動」と報道していた。何たる無知蒙昧か。 最近の池上彰の週刊文春のエジプトに関する「教え」でMuslim Brotherhoodwp取り上げ、反米勢力の台頭を懸念すると述べていた。彼の2流経済論議は女子高生並みだが、2流政治論議を…

人材不足の日本とその背景

最近、ある中東関係の識者の方がエジプトに関して次のようなコメントをしている。 「独裁政治が長く続くと、決まって後続の人物の選出に戸惑うことになる。それは有意な人材が、犠牲になり過ぎるからであろう。」 これは中東、アフリカ諸国すべて、あるいは…