軸の無い自公政権

橋下知事中田宏市長の「首長連合」が衆院選での民主党支持を打ち出した。橋元氏は府議会与党である自民、公明に反旗を翻すことになる判断して「(知事選で)投票してくれた人は納得しないと思う」と弱気の発言だったようだ。また自民党のベテラン府議は「知事与党として協力してきたのに、まさに裏切りだ」と非難したようだ。
橋元知事と中田市長は地方政治の首長であるが、彼らは首長連合として、衆議院選挙のマニフェストをもとに地方分権の政策案を点検し、民主党案の方が地方分権を実施するための霞ヶ関の改革に近いと表明したのである。この首長連合は任意団体であり、橋元氏が知事として自民・公明党から支持を得た経緯とは異なるフェーズで動いている。橋元知事が大阪府政を行う基盤は自公両党の府連レベルでの支援を基にしているが、知事よりに考えれば、地方分権を達成するための国政の方針には自民党案より民主党案が優れているとの判断だ。
つまり府政レベルでの立案・行政を行うためには国政レベルでの改革案が必要と感じたとすれば論理矛盾は起こしていない。
次に、自公側は各々の政策がどうであれ、政権与党を守ることしか考えていないことが問題である。そもそも府連レベルで橋元氏を支持したのであれば、彼の政策の実現を認め、協力するはずだ。そもそも自民党公明党共に党本部としての推薦・支持は見送り、自民党は「府連推薦」、公明党は「府本部支持」としたのだから、最初から自公は自らで中央と地方での異なるスタンスを決めていたのである。
自公政権において、地方と中央の政策スタンスの違いがあるのならそれを内部で議論し、明示して、論理的に国民に示すべきだ。改革派知事を支持したのに改革しようとしたら「裏切りだ」という発想は稚拙すぎる。