モノ作りと経営力

我が国はモノ作り国家であり優秀なエンジニアが多く存在する。しかし、エンジニアには自ら作り上げたものへの愛着があるのと同時にその限界を過度に認識する傾向がある。つまり自らが自らの作品の限界を信じすぎ(あるいは満足しすぎ)、また改善ためのハードルを高くすることがある。
これらの優秀な技術をさらに高めるのはエンジニアではなく経営力だ。経営力こそが市場における技術の潜在性を見極め、そのハードルを高くすることができる。そうするとエンジニアはそのハードルをクリアするために全力を尽くすのだ。
しかし皮肉なことに技術志向が高い企業であればあるほど、経営的な知見は技術職に反目されることがある。ある企業では技術職以外の職に就く者を自ら事務屋と呼ぶ場合もある。
米国ではエンジニアがMBAを取るケースが多い。このようにinter-disciplinaryな経営力を引き上げることが、優れた技術の潜在性と市場価値を高めることにつながる。