キャンパスは憩い

大学のキャンパスが好きだ。まず音圧レベルが一定で、携帯の着信音、電車の発車音、宝くじの西田敏行のだみ声のスピーカー音がない。生活者がいないからカラスも少ない。
景色も建物と緑の木々がある。どぎつい色の看板もない。派手な宣伝文字やタレントの顔を見なくてすむ。建物と建物の間の空間もここちよい。そうなると土砂降りの中でも良く見えるから不思議だ。
場所はどこでもよい。バークレー、コーバリス、本郷、少し小さすぎるが三田の山。(キャンパスのない大学は論外だ。)
一定の目的を持った人間しか来ないから安全だし気持ちもほぐれる。また年齢層も一定だ。乳幼児もいないし、老齢者もいない。人の流れるペースも一定の速度だ。一般的に華美な人間や見栄張り族は来ないから、それを狙う泥棒も来ないだろう。所詮、学生と教員はあまり金持ちでない。それに街とちがって金儲け主義が氾濫していないし、ギラギラと物売りの視線がない。それだからか、学者肌でもないのに親近感を感じる。
わざわざ用事を作っては大学のキャンパスに出向くわが身が滑稽だ。