東電のリストラ案は絶対に甘い

東電の西沢社長が追加策として、リストラ案や不動産の売却を検討していると言う。
そもそも本来は倒産、解体、経営者責任を問われるはずの東電が、政治的な延命策で生きながらえているのに、全く本質的な資産売却案が上がってこない。
繰り返すが、本質的な資産売却とは発電所の国際入札と、支店・支社のガス会社と自治体への売却である。
それによって東電は送電・配電会社になり、役人体質に合った規制分野での業務ができる。東電が独占供給と規制小売価格という公益事業であるにもかかわらず、ブラックボックスの総括原価方式で私腹を肥やしてきたことは、民主主義・市場経済の理念から逸脱している。
発電と小売事業の分割・市場化で、日本人の知恵が新たなエネルギー市場で生き返るのである。
間違っても、東電の言う「小売りを自由化するから発送電分離は止めてほしい」説を聞くべきでない。市場支配力market powerの強い独占事業体が残ったまま、発電市場と小売市場を自由化しても、新たな事業者は参入できず、結局既存の電力会社の規模拡大と無責任経営をもたらすだけなのである。