電気・ガスを買い手市場に

東電の部厚い賠償請求書類に苦情が殺到し、枝野経産相が「あぜんとした」と表明、その後やっと東電の廣瀬常務が「お詫び」となった。最後にお詫びをするくらいなら、最初からきちんと被災者目線になれなかったのか、未だに東電の「上から目線」体質は全く変わっていない。
政府の東電への対応もJALほど厳しくないことも原因だ。これにはエネルギー政策と産業政策が混在していることに病根がある。エネルギー会社を規制下におき、利益を溜めさせて政治家と役人が使えるようなお財布にしている点だ。だからエネルギー関連技術にはこのお財布をもとにNEDOあたりから投資されているが、そもそも競争原理のないエネルギー業界で、潤沢なお財布から資金が出ており、これらの新技術の機器代も「世界的に異常に高い」電気・ガス代からの割引でやっと成り立っている。(日本の都市ガス料金はフランスの2.5倍である。)
エネルギーすべてが供給者側のロジックで賄われ、消費者・需要家は言いなりの状態だったし、今でも下川辺委員会がブラックボックスと指摘した総括原価方式・燃料費調整制度の中で、電気代の値上げがどんどん繰り返される可能性がある。そして役所はノーチェックだ。(過去の値下げも圧縮されたかもしれない。)
これらを解消し、電気・ガスを買い手市場に変えなければならない。
そのためには先ず電力・ガス会社に情報開示を求めることである。料金明細も全く明細でない。発電情報も需要情報もない。それなのに地域独占・規制料金はおかしい、と声を上げる必要があるし、政治家にそれを言わさなければならない。有権者は、電力側に迎合している政治家を明確化・区別化すべきだ。
そしてその情報をもとに、消費者は節電と省エネを通じて購買力の主体は消費者にあることを明示しなければならない。