多角的な視点を

日本は島国で単一民族国家だ。したがって、考え方や行動がOne track mindになりやすい。
竹中平蔵氏が言うように、大災害ですべての力がそこに注がれるのは当然だが、同時に地元復興策と経済復興策を新たに計画する必要が生じている。自然災害(一部は人災だが)によるスクラップ&ビルドである。
災害前の日本経済は、当然IT(または通信のCを入れてICT)化が経済のエンジンの一つであった。
アメリカでは、携帯電話サービス大手同士である、AT&TににるTMobileの買収案が大きな話題となっていることを忘れてはならない。買収金額は$39 billionにも上り、超大型M&Aであるとともに市場に対する影響力は計り知れない。
米国の最近のTVではすでにサムソンがG4の携帯電話のコマーシャルを始めている。これは携帯無線のブロードバンド・高速バージョンで、日本ではLTEと呼ばれる技術だが、これに米国で韓国メーカーが進出し始めるとなると、日本の携帯・家電メーカーの地位はさらなる挑戦を受けることとなる。さらにG4向けのさまざまなアプリケーションの開発が進んでいくだろう。
被災した日本を憂うことは大切だが、それこそ被災しなかった地域の産業は海外市場の動きを忘れることなく、多角的な視点で経済活動を維持・発展させることが、被災地域の経済復興のエンジンともなるのである