原子力は核である

日本語の共同ニュースは、イスラエルのテルアビブ大のイツハク・ベンイスラエル教授(物理学)は東日本大震災による福島第1原発事故に関し、これほど強い地震でも深刻な事態には至っていないとの認識を示し「原子力問題に対する世界的なヒステリー状態」を批判、原発建設の推進を訴えた。22日付のイスラエル紙イディオト・アハロノトに寄稿した。
ここで同氏の略歴をWikpediaで調べると「イスラエルの軍事科学者、大将、政治家で現在イスラエル宇宙アカデミーの理事長。1998年に兵器技術産業開発局長を務めた。現在、防衛研究のヘッドで、キュリエル・センターおよびテルアビブ科学技術安全保障ワークショップの責任者。」とある。
ここで理解しなければならないのは、1月から拡大するアラブ民主化運動でイスラエルが孤立化する兆候があることだ。この状況でイスラエルは22日にガザ攻撃を行い、子供を含む8人以上が死亡している。エジプトの新政権がガザ向け支援を行い、イスラエルの立場が無くなりつつあることが背景にある。
ベンイスラエル氏はイスラエルの軍事責任者であり、原子力開発=核開発は対イラン向けの軍事力として重要だという視点が欠けて報道されている。
平和ボケした日本とそのジャーナリズムは、誰がどの立場で発言しているのかを精査せずに、記事を載せるリスクを理解しなければならない。原子力と核開発は両刃の剣であることも忘れてはならない。ベンイスラエル氏はイスラエルの核開発を擁護する必要があっての意見と取るべきだろう。