日本に再び競争原理を

米国ハーバード大学の学長が、中国や韓国の留学生に比べ、「日本人留学生の存在感が薄い」と述べ、日本人学生の奮起を促したそうだ。
ほんの20年ほど前には日本企業も海外に進出し、多くのMBA学生も生んできた。 しかしいつからか、まるで日本が世界のスタンダードであるような錯覚を起こし、その結果、企業もヒトも海外に出なくても「豊かな国ニッポンを維持」できるという誤解が始まった。
そして日本企業は内向きに転じ、「XXシステムの日本版」のための日本企業グループを結成するために役所が旗を振り、ガラパゴス化を加速させた。
これは官民一体の愚策であり、それが若い世代に内向き化を招いた。そして海外から学び、海外に事業進出しなければ生きていけない日本のモデルを、韓国がそのまま真似し続けた結果、韓国に追い抜かれている。
日本は韓国のロールモデルだった。しかし日本はウサギのように昼寝をしてしまった。世界経済での一瞬のリードが永続するわけがない。この看過の影響は甚大である。
「海外から学び、海外に事業進出」することは、国内の企業に金をばらまいて保護し、進出するための甘えた体力を蓄えることではない。それこそ海外のスタンダードを製品の製造から投資分野まで徹底的に導入し、海外企業と切磋琢磨する競争原理を取り戻さねばならない。