意図的な誤訳?

以前、Lost in Translationという映画があった。日本に来た米国人のためにある女性が通訳をするのだが、長い英語がかなり短い日本語になっていた。
今日、民主党マニフェストを発表し、その中で日米地位協定は改定を提起するにとどまったようである。この日米地位協定のもとの英語は、SOFAと略され全文はStatus of Forces Agreementである。直訳すると「軍隊の立場に関する協定」であり、日米地位協定という翻訳は、事実をオブラートに包んで意図的に曖昧な(平和的な)表現にしている気がする。
日本の政治家や国民が「日米地位協定」という語感からくる意味で議論し、米国側が原文の英語にある「軍隊の立場」という意味で議論したら、必ずズレがあると思う。
日本は平和憲法を主張するがあまり、中国や北朝鮮に対峙するに必要な防衛をすべて米国に委ね、しかもその駐留米軍の立場を曖昧な翻訳で表現して議論することは正しくないと感じる。
SOFA自体は米国が日本以外の韓国やヨーロッパとも締結しているものであるが、韓国やヨーロッパではドイツでさえも軍備を行っており、自国を守る意義と米国の軍隊を駐留させる意味を包み隠さず議論している点は見習うべきである。