権威への挑戦

巨人の球団代表兼ゼネラルマネジャーを解任された清武氏が読売の渡部氏に対して法的な対抗措置を取るという。
これは九州電力の第三者委員会の郷原信郎弁護士が、佐賀県知事のやらせメールへの関与について真部社長と真っ向から対立していることと同じだ。
つまり日本の伝統的な権力体制に対して、個人が正論を盾に挑んでいるのである。特異な見方かもしれないが、おそらく3月11日の大震災前であれば「泣き寝入り」していたかもしれない権力の横暴に対するチャレンジである。
これは日本の電力会社を頂点とする産業界による圧力への抵抗が、東電事故を契機として噴出してきているのであり、中東チュニジア民主化がエジプト、リビアへ拡大したことと似ている。背景にはおそらくSNSや独立系メディアの効果もあるだろう。
しかし伝統的な日本のマスメディアは権力への抵抗を報道したがらない。ジャーナリズムが死んでいるからである。
清武氏も郷原氏も腐ったメディアに負けずに、腐った法曹界に負けずに頑張ってほしい。本当の民主化は日本で最も必要とされている。
魚は頭から腐るという。腐った頭はすぐに取り換えなければならない。そして堕落した日本のメディアにこの国を滅ぼさせてはならない。