米国の終わりの始まり

米国がUNESCOへのUS$60 millionの出資支払いを見送った。UNESCOにパレスチナが加盟し、イスラエルの反発に同情したからだ。UNESCOという人道、科学技術における場での米国の後退の意味は大きい。
この発表を行った記者会見で米政府の報道官は完全にしどろもどろだった。記者の質問にもまったく的外れな答えしかできない有様だ。
米国は2011年初頭に起きたチュニジア、エジプト、そしてリビア民主化既得権益を喪失したばかりか、中東における米国のビジョンと役割まで捨て去った。
中東の民主化イスラエル民主化圧力も高まるだろう。そしてイランでも同様だ。
しかし旧来型の陳腐化したイスラエル依存の中東外交モデルしか展開できない米国は、世界のリーダーシップから急速に遠のくだろう。
台頭する中国や右傾化するロシアをコントロールできるはずの米国は過去のものとなった。