日経の不見識

日経が「経済教室」の欄で「原発事故から学ぶ 原子力放棄はむしろ弊害大」と言う内容の記事を載せている。筆者はジョン・ハムレ氏で、米戦略国際問題研究所所長だ。
最近の日経は紙ベースで大本営擁護の記事を載せ、電子版で改革派の記事を載せるという、2枚舌を演じているが、この記事は「経済教室」どころではなく、米ネオコンの「軍事教室」なら理解できる。
ジョン・ハムレ氏は真の共和党支持者であり、米国の軍事戦略の専門家である。
したがって、本稿は米国の軍事覇権のために日本の核技術を保持する必要性を述べたものであり、それは中国とインドに対する防波堤の役割を日本に担わせるという考えである。
これを日経が経済教室で「原発か、反原発か」の題材で取り上げるには甚だ不見識である。
日経は、ハムレ氏に広島と長崎の原爆投下について、尋ねるのが先だ。そうすればこのような不見識な記事が8月の初旬に載るようなことはなかっただろう。