原発の北朝鮮リスク

韓国の金国防相が、最近の北朝鮮情勢について「内部的に尋常な状態でないことは事実であり、どのような事態でも起こる可能性がある」と述べたと共同通信が伝えている。具体的な可能性として、3度目の核実験や弾道ミサイル発射、韓国への局地的武力挑発を起こす恐れが常にあることを示唆している。
さて平和ボケした日本の、平和ボケした政治家を見てみよう。海江田経産相はまだ原発維持に躍起だが、北朝鮮の不穏な動きは頭にまったくない。
福井県だけを例にしても、総発電容量が1400万kWほどの13基の原発がきれいに北朝鮮に向かって座っている。さらに富山県北陸電力)や新潟県東京電力)の原発日本海には並んでいる。
北朝鮮から飛んでくるテポドンの照準が合っていなくても。数さえ打てばどこかの原発に当たるだろう。そうすれば、細野氏が3月11日直後に震え上がった水蒸気爆発の数倍にあたる甚大な被害が日本海側の各地にもたらされる。
北朝鮮が暴走すれば日本は木端微塵である。もしも、これら日本海側の発電所天然ガス火力発電所であれば、単に電源が落ちただけで済むが、原発の場合には国家壊滅となる。経済の空洞化とか騒いでいる経産省や日経は、日本海北朝鮮リスクをなぜ考えないのだろうか。
さらにシーレーンを強化している中国は、日本海に見事に鎮座している原発群を眺めれば眺めるほど、軍事的な優位を感じるだろう。日本のように、こんなに国防の脆弱性原発で増幅している国家は少ない。
何度も書いているが、原発のリスクは原子炉の運転だけでなくストップしたあとの核燃料プールにもあるのだ。脱原発のアクションはすでに遅い、としても遅すぎることはない。