時間の止まった九州電力

九州電力の山元社長が、国が昨年5月に地元住民向けに開いた川内原発(同市)3号機増設に関する第1次公開ヒアリングについて、社員を動員したかどうかについては「記憶はない」と述べた。」と時事通信が伝えている。
「記憶にございません」は1976年にロッキード事件小佐野賢治が喚問を受けた際、偽証や証言拒否を避けつつ質問に対する本質的解答をしない意味をもつこの発言を連発したことから、全国的な流行語となった。
やらせメールから端を発した九電(だけではないだろう)の問題と民意誘導の体質は、35年前に使われた「責任回避」の表現に良く表れているし、九電の情報開示や組織の近代化が35年前から進んでいないことが見てとれる。
競争が無く、完全な地域独占(とくに九州電力は九州丸ごと独占で、他電力との境も接していない)だとこのように35年前と同じ表現でごまかせるという、途方もない時代錯誤が生じている。