ショートショート

民主党の前原氏が今月初旬、党代表経験者がそろい踏みで首相官邸に乗り込み、菅直人首相に退陣を迫る構想を鳩山由紀夫前首相に電話で持ちかけたそうだ。またこの構想は稲盛和夫日本航空会長が発案だと言われている。これは何と言う稚拙な話だろうか。世界の先進国どころか中東にも笑われる愚策である。お子様クーデターとしては、前外相である前原氏の神経が疑われる。暑さのせいなのか、脳神経外科神経内科にでもかかった方がよい。

原発大国のフランス政府が2050年までに原発廃止をするシナリオを検討した。当然、結果としては政府が不採用を決めたが、このようなシナリオでどのようなエネルギー政策になるのか、検討したことは「大人の世界」だ。日本の経産省や電力ムラでは原発廃止は頭から否定しており、民意があってもこのようなシナリオは全く論外だ。たとえ、フランスがこのシナリオを最初から否定的に扱う意図があったとしても、日本の経産省=エネ研のブラックボックスだらけの脅しレポートよりはましだ。

中国電力みずほコーポレート銀行ポーランドで、「スマートグリッド技術を適用した地球温暖化対策の案件組成調査」を実施する。これはNEDOの公募案件で、再生可能エネルギー導入拡大に伴う電力系統の課題を調査するという。おかしいのは、なぜポーランドなのか、という点だ。これは当然、国内で実施すべきテーマだし、電力会社が外国でわざわざ調査する必要はない。ポーランドEU加盟国であり、発送電分離している国で「電力系統」の調査をすることは、中国電力発送電分離を是認していなければ意味が無い。中国電力垂直統合型を固持しているはずだし、この研究自体が大きな矛盾だ。それにNEDOが大枚の税金マネーを使って調査させても、その成果を国内で生かせないことが最初から分かっている研究を実施することは背任行為だ。財政困窮の日本で、NEDOが電力会社と癒着金融機関に無駄なばら撒きをすることは反社会的行為である。

産業界向けに強制節電が始まった。15%の節電義務が課せられている。一方、家庭では節電に協力をというキャンペーンである。これは節電の「お願い」や「要請」であり、守る人と守らない人がいる以上、不公平な方策だ。こういった精神論に日本人は迎合してきたが、大阪府知事が言うように電力会社のいう「電力不足の根拠」がブラックボックスであることが問題なのだ。東電でも電力消費の総量は見せても、発電所や変電所当たりの出力データは非開示だし、需要データも隠ぺいしている。原子力で懲りたはずの隠ぺい体質が変わっていないし、それに対してメディアも脳死のままだ。だから、国民の間には「本当は電力供給には余裕があるのではないか、だから我が家は関係ない」という声が聞かれる。節電を要請するのであれば、電力会社側の徹底した情報開示と、任意節電や省エネではなく節電した主体が経済メリットを得られる「経済節電」方式を取り入れる必要がある。