経団連の大罪

欧州を歴訪している経団連の米倉会長がドイツのレスラー経済相に、日本は島国であり、「脱原発の結論は出せない」と述べ、原発政策を維持する日本の立場を説明したそうだ。
経団連電事連は蜜月の仲であることは旧知の事実だ。そこで米倉氏は「経団連は」という主語を使ったのだろうか。そうだとすれば経団連に加盟しているすべての日本企業が彼の発言と同じだということになる。経団連の加盟企業はすべて原発推進だということを彼は表明できる立場にあるのだろうか。
もしも「日本は」という主語を使ったとしたら、これは日本国民を代表して、ということで、誰がいつどのような権限を彼に与えたのだろうか。国民投票でもして、菅首相がいうのであれば理が立つが、そうでなければ職権乱用である。
さらに「島国であり」というのはどのような関係があるのだろうか。島国だから放射能汚染は海洋生物に数十年という内部被ばくと蓄積をもたらす。それを知っていて、なぜ島国だから原発が停止できない、と言えるのか。無知なのか不見識なのか。
ドイツは日本と同様に科学技術国であり先進国だ。その国が科学的に原発の危険を測り、廃止を決めたことを全くの素人の経団連会長がドイツの経済相にモノ申すとは何という思い上がりと非常識だろう。
この発言は辞任した松本復興省よりも罪が重い。経団連が国際的な無知をさらし、日本の信用と落としたのである。日本国民とかけ離れた言動を経団連が行ってよいわけがない。