明日から強制節電が始まるが

大阪府橋下知事が、政府が各地の原発の再稼働を要請していることについて、「『電力が足りないから原子力を』という理屈にはだまされないようにしたい。電力会社、経済界、経産省は脅しのようなロジックを突きつけている。」、と政府などを強く批判した。これはぼやき庵が24日に書いた「経産省、エネ研、電力会社の脅し」と同じ意見である。
28日の東電の株主総会だが、よく考えるとなぜ経営陣が壇上に上っていたのか、不思議である。本来は経営責任を追及されるべきであり、普通なら私財売却はあたりまえだ。それを「平時の株主総会」と同じに壇上から株主を見下ろす状態は異常である。勝俣氏の人を食った言い方や「株主に未来はない」と簡単に切り捨てるセリフなどは、全く反省がみられていない。株主は代表訴訟でも起こして役員の総退陣を求めるべきだろう。
2005年の電力市場改革が経産省と電力会社の政治的妥協で進展しなかった結果、自由化が止まった。そのときに自由化していれば、今までに東電以外の電力会社からの電力調達を実施する需要家はいたはずだし、それが10−15%とした場合、今回の東電管内の電力不足は避けられたはずだ。自由化を阻止した罪のある電力会社、御用学者、打算的な経産省は、彼らの不作為の代償として国民が苦しんでいることを理解し、反省すべきだ。
さらに明日からの強制節電の陰には、全国で440万戸にもなったオール電化の推進の罪がある。例えば1/4が東電管内だとすれば110万戸にもなる。もしもオール電化という電力権益による狂気の営業がなければ、上記のユーザーの東電からの離脱に加えて、明日からの強制節電も防げたかもしれない。
電力自由化を阻止し、オール電化営業を強行した災禍は、電力会社の役員ではなく国民生活に甚大な影響をもたらしている。