経産省の狂気の沙汰

経産省の暴走がひどくなった。電力業界を殺さず、手中に収めて省益を拡大するために、国民感情を無視し始めた。
経済産業省原子力発電をエネルギー供給の「3本柱の一つとする」として6月中に新たな審議会を設置する方針だ。名称は「基本問題委員会」で、委員長には三村明夫・新日鉄会長が就任する方向という。それこそ原子力ムラの中の重鎮である。
経産省は訳も分からず「電力の安定供給のため当面、原発は不可欠」としており、政策の再検討の中で主導権を握り、原発政策を維持するのが狙いとみられる、と共同通信が伝えている。
福島原発事故はまだまだ被害と犠牲者を出し続け、大阪府大阪市、それと原発立地地域の県知事が原発の再稼働を認めず、IAEAも日本の原子力政策の当事者責任能力を疑い、国民感情も、そして国際的にも日本の原発推進の非常識を疑う中で、経産省のこの傍若無人原発主義は国民の反感の火に油を注ぐこととなる。
「基本問題委員会」の意見に経産省は責任を転嫁して、万が一の場合には自分たちの導いた結論ではないと逃げきるつもりだろう。
この委員会に指名される御用学者たちは委員となることをはっきり拒否するべきだ。そうでなければ、原子力ムラの人間として日本国民を見捨てた輩と見なされるだろう。
経産省原子力推進の信仰は宗教かもしれないが、第2次世界大戦に日本を導いた軍部のように、国民を犠牲にしているという事実と正しい国民感情と理性から離反している事実を忘れているのだろうか。
原発がなくても電力の安定供給ができることを、最近のドイツが示しているのは何という皮肉だろう。彼らは戦争を招いた狂信主義から教訓を学んだが、日本の経産省はまだのようだ。