米原発の異常事態について

6月6日、米ネブラスカ州のフォート・カルホーン原発で異常事態通告Notification of Unusual Event(NOUE)が発令された。ミズーリ川の氾濫で原発が冠水する恐れがあった。
6月7日早朝に電気系統で火災が発生、使用済み核燃料プールの冷却が90分停止したため、発電所はアラートを出した。このアラートはNRCの下から2番目にものであったが午後にはNOUEに戻った。
現在は安全な状態にあると言う。
ここでの教訓は米国、フランスやドイツなど原発の冷却に河川を利用している内陸型の原発にある。
カルホーン原発ミズーリ川を利用している。今年の冬の豪雪でロッキー山脈の各地のダムには大量の水が溜まっている。この水を放水しなければダムが決壊する危険性があるが、放水時に豪雨が重なれば下流(とはいっても何百キロもある)の原発が冠水する。
気候変動で降雪量が増え、ダムの貯水量の限界となり、万が一ダムが決壊すると「内陸部で津波と同じ」破壊力を持つ水が原発を襲うと、米国の原発関係者が警鐘を鳴らしている。放射能汚染水は、日本であれば海洋に放出だが、内陸部では下流一体が甚大な被害となる。
こういった河川に原発を持つのはフランスやドイツも同じである。
反対にフランスでは異常気象による干ばつで、今年は内陸部で河川を利用した原発が停止となる可能性がある。さらに、以前、フランスでは海洋部にある原発が猛暑と海水の異常高温で停止したこともある。
自然の脅威Mother Natureの振れが大きくなる現代、万が一、のときには原発は予想以上の災害をもたらすことを理解し、その際のシミュレーションを実施して対応を検討しなければならない。
被ばく国日本の海江田氏のお気楽な「原発安全宣言」は世界を震撼とさせている。