欧米から電力問題のソリューションを

東電の資産売却の一環で、送電網と配電網の売却をみんなの党が打ち出した。
さらに日経までもが、東電の度重なるデータ隠しで、電力自由化の議論まで指摘し始めた。
しかし重要なのは、構造分離したり自由化した後でどのようなシステムをつくり、どのように運用をすべきか、さらにどのような市場デザインにすべきか、策定することである。
しかし、問題は、2005年の電力第3次自由化で実質的に電力会社が経産省の自由化論議に(政治的に)勝ったときから、自由化や構造分離に関する議論が完全にストップし、さらに研究者(えせ学者)たちが欧米で絶え間なく進むの自由化や構造分離の制度設計を一切、勉強しなくなったことだ。
これはまるで小学生のサッカーと同じで、研究者全員が脳死するのは単一民族のせいだろうか。あるいは原子力ムラと一緒で、すべての研究者たちが電力に注射されたのだろうか。
さらにひどいのは、つい昨年の12月にエネルギー経済研究所が電事連と行った欧州の電力視察でも、電力側に不利な情報はすべて捨象して報告書を作っているせいで、日本には欧米の電力供給の構造に関する重要な情報資料が入ってきていないし、そのような知見は我が国に存在しない、ということである。2005年からの国の報告書では同じような改ざんが行われている。
別の見方からすれば、電力会社や電事連脳死させられたえせ学者しか存在しない日本で、原発後の(再生可能エネルギーを入れる)新しい電力供給システムを作ろうする場合には、今の学者ではまったく役立たないのであり(エネルギー賢人会議は嘘である)、それこそ欧米の送電機関の経験者や再生エネルギーを接続するシステムの研究者を日本に招へいして、新しい日本の制度設計をする必要があるのではないだろうか。
日本の電力関係の学者と研究者はほぼ瓦礫であり、瓦礫の中から未来のソリューションは拾えない。