原子力産業の実態と経団連

ドイツのWulff大統領がサンパウロで「原子力発電所の国際安全基準の必要性」をうったえた。さらに国際的に強制力のある機関の設立も求めた。
一方、被ばくした日本国では日雇い労働者が福島原発に駆り出されている。5、6号機冷却のため、給水タンクにホースやポンプなどを設置して給水車に水を移し替える作業だったという。
今、日本国の将来は福島第一発電所炉心溶融をストップできるかどうかの重要な局面を迎えている。それに対して、東京電力は社員ではなく、1時請け、2次請け、と限りなく続く下請けで、挙句の果てはまともな知識や訓練の無い、その場しのぎの人間が作業にあたっている。
危険を伴う仕事だから誰もやらないから、と言う理由だが、これは本末転倒である。
というよりは、原発の運転は一度事故が起きると、危険度が高いため、こういった対応しかできない、ということだろう。
そうすると、原発は複雑な仕組みであるだけでなく、事故対応はコントロール不可能な対応しか実際にできない状態が露呈する。
JCOのバケツ臨界でも同様の作業員のミスだと聞いている。
これが原子力産業の実態だとすると、これは非常に大きな問題であり、老獪となった日本経団連の米倉氏の訳も分からず電力側を支持する発言は、この国の産業界の非常識を世界に露出することになる。経団連には自浄作用が必要だ。