日独外相会談はあったが

松本剛明外相がドイツのウェスターウェレ外相とベルリンで会談し、「日本は原発の安全性確保に努力している」と述べ、日本の対応に理解を求めた。
しかし松本氏はどのような具体策を述べたのだろうか。相手は6月にも原発の全廃を決めようとするドイツである。日本特有のあいまいな精神論だけを述べたら、中身のない説明として馬鹿にされるだろう。
今までの日本は経済力と技術力をもち、ドイツとならぶ工業国として尊敬されていたが、原発事故の対応とそれによる経済活動の低迷で、今後は今までほどリスペクトされなくなる可能性もある
ウェスターウェレ外相は「震災に立ち向かう日本人の勇気や秩序に感動している」と応じ、日本を引き続き支援していく用意があると伝えたそうだが、6月以降、ドイツと日本のエネルギー政策が極端に分かれた場合、そして日本経済の低迷が続いた場合、今までのように世界が日本を支援しようとするかどうかは分からない。
日本は21世紀の被爆国であること、原発事故への対応が電力会社も政府もお粗末だったことを反省せず、相変わらず原発の運転維持と責任回避を続ければ、少なくともドイツから日本が見放される日が来るのはかなり早いだろう。