反省のない電力会社

電気事業連合会は家庭での節電として、暖房、照明が効果大であり、ピークずらして家事を、とお願いしている。
最近のぼやき庵でも書いたが、なぜ地震大国の日本で、しかも2007年に地震柏崎原発が止まって供給不足になったのに東電は全く対策を取ってこなかったのか不思議だ。
そもそも原発が日本のような国で安定的に電力を供給し続けると看過していたことが問題であり、その上さらに「オール電化」のように厨房まで電化してしまい、3000ワットという大電力消費機器を設置しつづけたことは失態というか故意の過失である。
暖房、照明を消せ、と言う前に、なぜIHクッキングヒーターを使うな、と言わないのか、欺瞞であるし、反省が読み取れない。さらに今まで発電情報を故意に出さなかったり、需要情報を取らず出さずの状態で、消費者にいつがピークか分かるわけがない。
また東電の藤本孝副社長は、企業を中心に一定期間の電力使用量を制限する「総量規制だけでは電力の需給のバランスを取るのは難しい。」「確実に需要を落とせるやり方を探したい」と述べている。
これも需要管理を適切に行わず、自社の発電所の運転調整に需給調整を頼るという旧式のやり方に問題があったことを認めていない。
そもそも需給調整は自社の発電側で行うという発想は時代遅れであり、欧米では送電ネットワークにおいて需給調整を実施しているのである。そこでは自社の発電機以外の多様な発電設備もネットワークにアクセスでき、ネットワークとして需給調整を行うのであるが、自社テリトリーを守る閉鎖的な発想しかできない日本の電力会社は、送電ネットワークのオープン化に反対し、その結果このような事態を招いたのである。
藤本氏を含め、東電と電事連は日本の電力システムの閉鎖性、封建制、と時代錯誤を認め、反省すべきである。