ミステリアスな工作失敗事件

大手ゼネコン、フジタ社員4人が現地法人の中国人社員とともに先月20日、中国河北省石家荘市で中国当局に拘束され、9月30日に3人が解放された。
彼らの河北省での行動は、「遺棄化学兵器処理施設の建設予定地を確認するため」となっている。彼らはレンタカーで現地に向かい午前11時半頃、「細い道で進入禁止のゲートがあったため、手前で車を止めた際、中国人社員がゲートの奥に「軍事禁区」の表示があることに気付かず、デジタルカメラで撮影した。」という。そしてゲートの中から監視担当者が出てきて連行された。
3人は解放された後に本社で記者会見し、「不注意な行動で大変なご心配とご迷惑をおかけしました」と謝罪したが、非常に腑に落ちない。
*なぜ中国の兵器処理施設に日本のゼネコンが視察に行ったのか。
*なぜ深夜に到着し、深夜に視察なのか。
*なぜ深夜なのに何をデジタルカメラで撮影したのか。
*なぜ尖閣問題で日中間が不安定な時期にわざわざこのような行動を取ったのか。
*これは何の目的で、誰の指示によるものなのか。
民間企業であるゼネコンが本当に企業目的で取った行動としては不可思議である。そしてもしもこれが純粋なミスであったとすれば、非常識きわまりないし、日中間の政治関係にマイナスな影響しか残していない。日本の立場を悪くしただけである。社長の首が飛んでもおかしくない。
一方、これが何かの工作であったとすれば、あまりにも稚拙な結果である。なぜこのようなアマチュアに任せたのか、そして誰が任せたのか。プロであれば見つかって拘束された場合には黙秘するなどの方法により国際問題化することを避けるだろうし、そのくらいの覚悟と訓練をもった人間が活動するべきである。
プロが居ないからゼネコンのアマチュアにやらせた、とすると、任せた方はとんでもない時期にとんでもない人たちにとんでもないミッションを与えたことになる。そしてその与えた方が誰なのか、ここまで事が発覚した以上、国民は事実関係を明らかにせざるを得ない。