日本を中露の資源攻略から守れ

中国の胡錦濤国家主席とロシアのメドベージェフ大統領は27日の首脳会談で、エネルギー面に関する中ロ関係の強化で合意したとの報道だ。
一方、中ロ両国は現在、双方がすでに合意している貿易・エネルギー・地域安全保障に関する関係強化に向けた具体案の取りまとめに取り組んでいるとされる。また中国とロシアは「日本」を侵略者と名指しして被害者の立場強調していることが最近取りざたされている。

 さらに加えて、ロシアのメドベージェフ大統領は二十九日、旧ソ連時代を含め、ロシアの国家元首として初めて、近く北方領土を訪れる考えを表明した。日時の明言は避けたが、実現すれば、日本の領土返還要求への強いけん制となり、日ロ関係の長期的な冷却化を招く可能性もある。 

これらの背景には、①米オバマ政権の非軍事路線、②米国経済の弱体化、③日本の反米政権と日米安保の形骸化の可能性があると考えられる。

前述のように、中国は自国の経済発展のために世界中からの資源確保に躍起になっており、尖閣問題も経済水域の拡大と尖閣地域でのエネルギー資源の確保が目的である。またロシアも今回の世界経済危機で打撃を受けており、資源保有国としては中国に接近するとともに、サハリンなど東方(日本では北方)資源確保のための領土拡大が必死とみられる。

ここで日本に必要なのは、ドイツがエネルギー(とくに天然ガス分野での)ロシア依存の脱却を追求し、風力や太陽光など国内で得られるエネルギー資源を拡大しようとしている政策だ。

日本国内では太陽光発電の利用拡大が進んでいるが、風力発電に比べれば発電量が桁違いに小さい。日本で風力発電を拡大するための障害(とくに電力会社の送電網の独占状態)を政治的に排除して、日本という国家主権を守るためにエネルギーの地産地消を目指すべきである。

ロシアはおそらく北方領土の問題で水産資源の確保を狙い、さらにサハリンでの天然資源の所有権を拡大して、日本が投資した天然ガスと石油資源の権益の奪回を狙っていくだろう。

中国とロシア。政治体制は基本的に共産主義であることに変わりはない。つまり一党独裁で人治国家の覇権主義であり、民主主義・法治国家とは程遠い。国際世論も気にしないこれらの国から日本国を守るため、政治家と官僚と経済界は平和ボケから目覚める時期が来た。日本を守るためにはエネルギー業界は過去の既得権益に頼る考えを捨てる必要がある。