小沢氏は政策の正しいうったえ方を

(1)民主党鳩山代表は2009年7月26日、新潟県新発田市での衆院選立候補予定者の集会で、「首相を退任後、政界に残ってはいけない。影響力を残したいという人が結構いるが、首相まで極めた人がその後、影響力を行使することが政治の混乱を招いている」と述べ、自民党森元首相らを批判した。(2009年7月26日21時55分 読売新聞)
 (2)鳩山由紀夫首相(63)は2010年6月2日午前、国会内で開かれた緊急の民主党両院議員総会で、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題を巡る迷走で社民党の連立政権離脱を招いたことや自らの資金管理団体を巡る「政治とカネ」の問題の責任を取り、退陣する意向を表明した。自身の進退を巡る小沢氏との会談で「私もひきます。幹事長も職をひいていただきたい。そのことによって、新しい民主党、クリーンな民主党を作り上げることが出来る」と求め、小沢氏が「分かった」と応じたことを明らかにした。
(3)民主党の鳩山前首相は2010年8月26日午前、小沢一郎前幹事長との会談後、記者団に対し、「(2003年の旧自由党民主党との合併時)私の一存で小沢氏を民主党に入れた。小沢氏を支持するのが大義だ」と語った。
ここでわかるように、鳩山氏は完全にエイリアンである。まったく哲学がないから、言うことがコロコロ変わる。一方「政治とカネ」の問題では鳩山氏と小沢氏は同病相哀れむ仲であり、2009年7月の民主党代表選挙でも、小沢氏のストーリーに則って鳩山氏が選出された。汚れたカネの仲間同士とも見られる。
とすると今年6月での両者退陣はお手手つないで「政治とカネ」の倫理を外したのであり、過去1年間は、お手手つないで「普天間問題」をかき回し、お手手つないで「円高・株安に陥った政治の政治の不作為」をもたらしたのではないか。
マスコミは鳩山氏の狂言に飽き飽きしている。そんな鳩山氏を利用した小沢に批判的になっている、というか、小鳩族の意図的な反マスコミに対する逆襲なのかもしれない。
さらにその格好の目標になっているのが松木謙公氏であり、小沢氏側近にしては身なり、表現力、知性のいずれもが報道番組のキャスターのレベルを下回っている。とくに昨日の田勢氏の番組では、アシスタントの大江麻理子の方がずっと知性、見識に長けていた。小沢氏が本当に日本の政局ではなく政策を訴えるのであれば、松木氏をテレビに出すのは逆効果だろう。
経済人の中には、菅氏では難局に立ち向かえないという意見もある。小沢氏なら、という期待が高まるのも、菅氏の経済・金融音痴が災いしている。
しかし思い出せば、有権者が「期待」に賭けた結果、鳩山政権に1年間の空白を作らせた。本当に小沢氏が国難を乗り切る力があるのであれば、今こそ政策に関する「言葉」が必要だ。松木氏の言うように、小沢氏は言葉が出ないリーダーでは、20年前は通じても現代では通用しない。松木氏はもう決してメディアに露出させずに、小沢氏の「政治とカネ」「3年間に4回目の総理」というハンディを克服するための、小沢氏自身の政策を表明するべきではないか。