スキャンダルのカムフラージュは常套手段

確か2005年の夏だったと思うが、ロンドンの地下鉄でテロ事件が発生したと各国のメディアが大々的に取り上げた。そして容疑者と思われた男が警官隊に射殺された。しかしその後の調べで彼は無罪のオーストラリア人だったとわかった(と記憶している)。
うろ覚えだが、たしかその前にブッシュ政権でスキャンダルが発覚しそうになり、リビー補佐官(?)がその対象となった。しかしロンドン地下鉄のテロ事件の発生で、ワシントンのスキャンダルはほとんど報道されなくなり、世論の米政府批判は一気に薄まった。
推理小説の読みすぎかもしれないが、政府内部の失敗が明るみに出そうなタイミングで、過激な事件の報道を作り出し、世論の注意をしばらく逸らす、というのは米国型の情報操作の通例といわれている。
さて、今回の相撲界のどたばた騒ぎ。うがった見方をすれば、小沢氏の検察審査会の発表の直前である点が怪しい。不起訴不当となったが、起訴相当となっていた可能性もある。おそらく民主党側でかなりの圧力をかけたに違いない。しかしリスクヘッジをしたのだろう。世間の注目は角界スキャンダルにあふれた。万が一、起訴相当が出た場合でも政府批判は相当薄まったはずだ。