日本の保護行政の垢を落とせ

三菱重工はフランスの原発建設・メンテを行うOnet Groupの原子力部門とJVを組成する。今秋にも詳細が発表される見通しであるとフランスの経済紙が報道した。

一方東芝は、米電力大手エクセロン子会社とサウジ向けに原子力発電所の新設について共同提案する。
これに対して経産省は、スマート・コミュニティだの原子力輸出会社だの、オールジャパンでコンソーシアムを作ろうという妄想を描いている。
原子力の分野では、東芝はウエスティングハウスと、日立はGEと、三菱重工は仏アレバと事業提携しているのに、これら3社に日本の大手電力3社を加えて原子力輸出会社を作ったって、動きが取れようがない。
東芝、日立、三菱がオールジャパンでそれぞれに手の内を明かせば、ウエスティングハウス、GE、アレバから訴訟されかねない。
しかも電力会社は海外進出に(東電を除いて)まったく及び腰だ。これらの企業の幹部は、日本のため、国家のためなどとは露も思っていない。すべて自分の立場の安泰とハッピーリタイヤメントしか頭にない。
だから三菱と東芝は日本の電力会社との共同作業をさっさと諦めたのだろう。
長年の保護行政の垢が電力会社の後ろ向きの経営姿勢に表れている。日本のガス会社も大同小異だ。彼らを早くガラガラポンしなければ日本が沈む。