メディアの役割

すべてシナリオどおりの鳩山政権の退陣劇だった。
7月の総選挙を現政権で戦えないと判断した民主党は、ぎりぎりまで退陣を引き伸ばし、新たな顔を立てて参院選挙に臨むことは明らかだった。
そこで管氏の出現は想定内かもしれないが、いきなりの反小沢の言動は小沢陣営にとって想定外だったかもしれない。
いや、想定内だったのかもしれず、9月の民主党代表の選挙での巻き返しをすでに計画しているのだろう。だからこそ、樽床氏を使って小沢グループによる政権コントロールを残した。
頻度に問題があるかもしれない世論調査だと、小沢批判の民意が見える。そこには旧自民党型の政治家像とカネに纏わる闇がある。だから小沢批判で管氏が勝つと民主党支持率が回復した。しかし党内では最大の小沢派閥が存続していることは事実だし、実際に樽床氏の100以上の票数は小沢票だ。
ある意味では国民は反小沢を掲げた管氏を支持しているが、民主党は小沢色が強く残る。そこに政治と民意のギャップがある。
小沢氏が勢力を巻き返して、小沢グループが9月の党選挙で勝ったら、日本の総理の顔がまた代わる。それは民意の逆だろう。それにこんなに頻繁に元首の交代する国は過去のイタリア並だ。
検察審査会にも小沢グループからチェックが入った。政治の横暴である。
今後の小沢氏の暴走と復活を望まない民意があるとすれば、メディアの役割はそこにある。つまり小沢グループの動きを厳正に報道し、ルール違反がないかチェックすることを民意が求めている。また検察審査会の独立性の維持を汚すような行動も見張らなければならない。