野党政治のチャレンジ

英国では野党が十数年ぶりに政権を担当する。このことは金融市場に「不安定」と映る。
それを見越したようにEUは新たなギリシャ支援の金額を決めた。
またドイツでもNRW州の選挙で野党が勝利をおさめた。
これら一連の動きは、アメリカ型の借金経営によるリーマンショック後の企業破綻を救済するため、その不良資産を各国政府が買い取った結果、さまざまな亀裂が国家運営と社会政策に及び、その病巣を手直ししようとする野党に国民の期待が集まっている結果である。
しかし、これらの結果による野党政治にはさまざまな困難が生じている。最も顕著なのが連立政権による政局運営である。
欧州は日本における野党政治の失敗例の経験を生かして、連立与党の困難を克服すべきだが、世界全体を見ても最近はどこにも成功事例がないことが悩ましい。
メルケル政権は国民に対して「皆さんを救うのと同じ意味でギリシャを救うのです。なぜならばEUはすでに統一されているからです。」と言うべきだろう。「ギリシャを救わなければ、結果としてEUは崩壊し、その火の粉は債権者であるドイツに降りかかってくるのです。」とも述べるべきだろう。ギリシャのような財政危機が再び起きれば、EUが破綻する可能性もある。
EUのようにすでに相互依存の形態に依存する状況は元に戻らないのであり、それは経済面でも軍事面でも同様である。
日本への教訓としては、国民にNIMBY(Not in my backyard)の自己中心主義を捨てさせ、アジアの中の一員である認識と責任の教育、つまりChivalryを教えることである。
幸い、日本には欧州の悩みである移民問題が少ないのだから、教育面での世界観は共有できるはずである。島国根性を捨てることが大切である。