ドイツの苦悩と世界株安

今日、ドイツでは人口の最も多いノースライン・ウエストフェーリア州選挙があり、事前の調査では与党CDUの得票率が43%、それに対する野党SPDが47%となっている。
ドイツはギリシャ危機に対する財政支援を国会決議したばかりだが、それを反対する野党SPDが地方選挙で優勢になるかもしれない。
ドイツは財政の安定化と、欧州の一体化、という2つの選択を迫られている。前者はSPDが、後者はCDUが追い求めている、という構図になっている。
今回のドイツによるギリシャ支援額はドイツのGDPの1%以下であるが、前述のようにスペインとポルトガルへの財政支援を合わせると$200 billionを超える。
確かにこの金額は2008年のドイツ金融機関への支援額の€500 billionよりも少ないが、浪費癖のあるPIGS諸国がまじめにドイツ人のような緊縮生活で財政を立て直せるか、という点に問題がある。
日曜の選挙の結果で、メルケル政権CDUの今後の欧州支援に歯止めがかかる可能性が出てくる。そうなるとPIGS諸国は財政破綻のリスクが高まる、と同時に英仏独の債権国の不良資産化になり、それらが先週末の世界株安の背景にあると考えられる。
経済大国(近隣と比較して)の有権者は自国のことも大切だが、周囲に及ぼす影響を考えて投票する判断力が求められている。
それは日本でも同じである。