英国労働党の断末魔

英国の政局が混迷を深めている。
英国のブラウン首相が労働党の党首を9月までに辞任するという。これは今回の選挙で90議席以上失った労働党が少数政党である自民党と連立を組んで、政府を樹立するための準備であると言われているからだ。
今回の選挙では、野党保守党が305議席、与党労働党が258議席自民党が57議席だったため、どの党も過半数にいたっていない。労働党民主党が万が一組んでも合計は315議席となり、過半数の326議席には足らない。しかし保守党よりも多くなるため、労働党自民党に擦り寄っている。
そうなれば国民が選ばなかった政党が政府与党となる、とメディアが批判している。実際、敗者の連立になるからだ。
労働党は、保守党と自民党の連立の可能性に対して、両党の政策の違いを突いて自民党との連立に持ち込み、政権を取り戻そうとしているように見えるが、国民には無様な悪あがきにしか映らない。
このような状況の中、自民党は英国の選挙制度の見直しが必要であるとして国民投票を求めているが、多くの保守党議員は反対している。
キャステイングボードを握る自民党は保守党に対して、税制や教育、選挙制度改に関する具体的な提案を求め、歩み寄りを示している。
日本の参議院選挙でも英国とおそらく同様の推移が考えられる。選挙に勝っても負けても、民主党は党利党略ではなく国家の政局安定を目指すべきであり、負けた場合には潔く国民の審判を全うすべきである。これは連立を組む少数政党との力関係においても同じである。英国労働党のような無様な姿だけは露呈してほしくない。