普天間問題と台湾海峡

社民党照屋寛徳国対委員長は6日夜のCS放送の番組で、上海出身の葉千栄氏に向って「米中と日米に軍事的な緊張はありえなく、中台間にも経済依存度の高まりがあり、台湾の防衛のための沖縄での海兵隊駐留の必要はない。したがって、海兵隊は抑止力としての必要性がない。」と述べた。(海兵隊の沖縄駐留は米ネオコンの暴走、謀略、という意見もあるが。)
中国の最近の潜水艦やヘリによる日本への威嚇行動を示唆した中国人の葉氏に対して、葉氏ほどの情報力と中国感のない照屋氏が上記のような断定をするのはいかがかなものか、と感じる。
葉氏は「中台間に緊張があれば海兵隊の存在が抑止力になるのではないか。」とも述べている。中国本土の知識人の意見である。
中台間に緊張があるかないか、によって沖縄の海兵隊の必要性の議論が変化するかもしれない。これは中国共産党の長期的な拡大主義と、台湾国民の意思を確かめなければ分からないだろう。
台湾の馬英九総統が中国よりになりつつあり、中国と「海峡経済協力協定」の締結に前向きな状況に対して、5月4日に台湾の中央選挙委員会が「締結には国民投票が必要」とする約11万人の嘆願書を受理した。
鳩山総理が最近、始めて海兵隊の抑止力という言葉を使った背景には、こういった台湾の民意と日本の責任が反映されているのかもしれない。(海兵隊員による犯罪や迷惑行為には毅然と立ち向かう必要はあるし、メディアも米国政府に向ってもっと強く発言すべきだが。)
沖縄の海兵隊駐留が、台湾を守るため、という理由であったら、日本国民はどのように感じるのだろうか。中国共産党中華思想は過去のもの、と片付けるのは簡単すぎる。