欧州は老老介護の兆候

ギリシャ危機が米国を中心とした株式市場に波紋を投げかけている。
しかし、本当の危機はギリシャから端を発する欧州全体の債務危機である。
現在、欧州最大の債務者であるイタリアは総額$1.4 trillionの負債があり、フランスから$511 billion、ドイツから$190 billion、英国から$77 billionを借りている。
第2位はスペインで負債総額は1.1 trillion、ドイツから$238 billion、フランスから220 billion、英国から$114 billionの借り入れである。
第3の債務額をもつアイルランドは負債総額が$867 billion、英国から$188 billion、ドイツから$184 billion、フランスから$60 billionの債務である。
第4位はポルトガルで、債務総額は$286 billionである。
これらに対して今回のギリシャの債務は236 billionであり、ギリシャ危機がヨーロッパのPIGSポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン)全体に飛び火する危険となっている。
今後の焦点は、それに対してドイツ、フランス、英国が本当にPIGSの財政不節度の尻拭いを続けられるか?である。
ドイツの金融機関および欧州中央銀行の判断力の誤りとスピードの欠如が今回の景気回復で大きな問題を残しており、英仏独の経済が緩んだ現状では、英仏独のPIGS支援は老老介護にも映る。
ギリシャの国民は暴力に訴えても既得権益を守ろうとしている。これでは英仏独の節制による財政支援が破綻する。PIGSの国民に対するマインド・リセットが必要だ。