本当の自然を見る必要

最近のテレビ映像がきれいだ。液晶画像の技術進歩、ハイビジョン化、さらに3D化もあってどんどん吸い込まれるし、画像を見る時間が長くなる。以前よりもチラツキがないとも言う。
会社で座っている仕事ではおそらくパソコンの画面を見ているのだろう(営業職以外は)。また最近は会議でもパソコン持込のケースも増えている。また車内では半分以上の人が携帯画面を覗いている。(メール化ゲームかわからないが。)つまり、仕事でも余暇でも朝から晩まで液晶画面を眺める生活様式であり、目が悪くなっても不思議はない。
確か昨夏のテレビコマーシャル(そういう私自身もその病に犯されているが)で、女優が涼しい高原から声をかける相手がエアコンの聞いた室内で滝の流れる画像を見ていて、同じように涼しいと叫んでいた。
これは病気である。つまり、人口の冷気と自然を模倣したデジタル画像で、大自然の体験ができると言っている。これは単に目が悪くなるのではなく、リアルとバーチャルの境が分からなくなっているのだ。
自然の緑は目に優しい。それがどんなに美しい緑の映像でも、単に点滅している液晶を見て、自然を想像しているにすぎない。きれいに映っているだけで、電子光の変化に幻影を見ているだけなのだ。
3D技術の進化が液晶バーチャル人間を増殖させてゆく顛末がやや不安だ。液晶を捨て自然を見よう、といったスローガンが必要なのかもしれない。