ドイツ人の無愛想さで感じること

今、ベルリンで書いている。ここに来る前に滞在したオランダとは雲泥の差でサービス精神がない。
独断と偏見だが、ベルリンには旧東独の無愛想さが残っている。社会主義体制では個人もサービスも評価されない。外向きのサービス精神は不要だった。
オランダはドイツのように重工業もなく商業で生きてきた。だから外国人に接することが日常であり、愛想がよくサービス精神も欧州のなかではよい方だ。(日本への親近感もあると聞く)
ドイツ、とくに旧東独をみると日本の電力・ガスのような規制産業を思い出す。彼らはまさしく日本という国の中の治外法権のような社会主義体制の中にいる。社外との競争もないし、個人のインセンティブもない。全体主義で、新しい意見や建設的な批判や改革提案は敵視され、そういった意見は潰されて改革者は左遷される。
これでは日本の規制産業はいつまでたってもサービス業になりえない。
一方、世界の潮流はエネルギー事業者のサービス化だ。とくにガス業界は欧州ではCO2規制の波で、10−20年後には消滅すると言われている。しかし日本のガス事業者のほとんどは既存のぬるま湯の供給事業が永続すると考えているし、下らないガスと電気のオール電化をかけた競争で、エネルギーの無駄遣いを奨励している。省エネ、省資源というCO2政策に真っ向から矛盾していることにガスも電力も企業が目をつぶっているし、消費者もだまされている。
以前も書いたが、日本は地震大国資源小国であり、省エネと電気・ガスの節約が大命題だが、電力会社もガス会社も電気とガスの消費を増やすための営業しかしていない。さらにもっと使わせようとする機器開発に大量の(電気代とガス代から吸い上げたカネで)を投資している。
これは国策に反するものであり、それを役所が看過していること自体、日本が沈没する船底の穴を広げている。