他の文化へのリスペクトを

最近とくに日本人の色使いの下手さ加減を痛感する。
ブルーひとつにしても例えば大韓航空のコーポレートカラーのブルーと、KLMオランダ航空のブルーとは違っていても両方ともそれぞれに美しい。ドイツ航空のオレンジもなかなか綺麗だ。
自分のことは棚に上げられないので付記すると、いつもながらにパワーポイントでの色使いが下手糞でどうしようもない。隣の色や全体の配色がいつもとってもダサイ。
アメリカのショッピング・モールでも色使いに感嘆する。隣同士の店が個性を出しながら調和しているし、モール全体に色のバランスが取れている。それに比べて船橋のモールは最低だ。各店舗がバラバラに色を使い、歩いているだけで気分が悪くなるし、店舗の中の配色もどぎつかったり、配色のセンスがない店が多い。
色使いのセンスは文化であり、やはり世代という時間を経ないと文化レベルとして見るに値するまで成長しないのだろうか。
まあ大目に見ても、大阪の色と京都の色は違うし、神戸も違う。そういえば台北はオモチャ箱をひっくり返したような色だということを聞いたことがある。御堂筋線新大阪駅の階段を上るとこの言葉を思い出す。
それらを各々の文化としよう。そうすると表参道にはラーメン屋の昇りは似合わないし、景観規制されている丸の内にはヤマダ電機の宣伝は似合わない。
しかしそれ以外で、例えば静かな住宅地にけばけばしいピンク色のマンションが横浜市に建って問題となったことがある。市の条例では景観規制が欠落していたからだ。
都内でも杉並区役所前のけやき通りは本当に美しいが、最近、どぎつい看板の九州の居酒屋がオープンした。九州では(あるいは大阪では)OKだろうが、出店先の景観や環境を完全に無視している。つまり、自分さえよければ、人目を引けば、客が入るというのはモノカルチャーの日本人の特徴であり、日本の中にも、東京の中にもそれぞれ、さまざまなカルチャーがあることを無視することはご法度である。こうした人間の仕業は、厳しく景観条例で対処すべきである。また色だけでなく音の騒音も同罪だ。宝くじ売り場の西田何とかのだみ声は静かな街角には大迷惑であることがみずほ銀行にもわかっていない。
すなわち色と音は文化であり、各地で各様に異なる文化なのだ。そして一部の地元で許されるからといって、ずかずかと土足で自分勝手な文化を持ち込むことは厳に規制すべきである。