亀井氏を閣外に

亀井金融相が12日の記者会見で、外資格付け会社が日本の長期国債国債格付け見通しを引き下げたことについて「日本人は外国に影響されちゃう。アホみたいなのが多い」と述べ、格付けのあり方や、国民の受け止め方に不満を示した。さらに4月から金融相は格付け会社の監督権限をもつことになっている。
これはまったく時代錯誤というか言語道断の発言と動きであり、世界の金融市場の動きに対する無理解、無知識、非常識が露呈している。
たしかにS&P、Moody’s、Fitchといった格付け会社は完璧ではない。彼らは基本的に現在のキャッシュフローや将来のキャッシュフローからの現在価値の分析ではなく、現行の資産・債務分析が基本だ。しかし、今回のNegative Outlookは誰の目にも明らかであり、日本の債務超過、稼ぎ頭のトヨタの売り上げ低迷、スマートグリッドや世界標準化への対応の遅れによるメーカー不振など、日本はお先真っ暗であり、亀井氏の大本営発表的発想が事態をさらに悪化させている。
亀井氏のように国際金融のコの字もわからない素人を金融相にすること自体、民主党の人材不足が嘆かれる。
さらに金融相が格付け会社の監督権限をもつことは、第3者による財務判断に対する検閲行為であり、中国政府のGoogle検閲と変わらない。
さらに亀井氏は「勝手に格付けを決めて、それで影響がでたって格付け会社が尻拭いするわけじゃない。」と戯けたことを言っているが、これがもしも英訳されて海外の金融経済紙に載ったら、日本株は急降下だ。
日本にも格付け会社があるが、単一民族の日本では厳しい格付けは避けられ、親方日の丸、大本営発表丸出しの仲良しクラブな格付けに終始している。さらに海外企業の格付けを行う能力も人材もいないので、結局、海外の格付け会社に頼らざるを得ないのだ。亀井氏がそこまで言うのなら和製でグローバルな格付け会社がなぜ育たないのか、本来は自己反省すべきである。
この人を早く閣外に去らせないと日本は大変なことになる(のが早くなる)。