世界観の話せるリーダーを

鳩山首相がメキシコのカルデロン大統領と会談した後、「メキシコも日本も、経済は対米依存から脱却していこうではないかという認識を互いに持った」と説明した。しかし事実は異なり「対米依存からの脱却」などの言及はなかった。
 鳩山氏は昨年12月もコペンハーゲンで米クリントン国務長官との協議で「十分に理解いただいた」としたが、米側は「事実関係と異なる」と反発している。
一方、民主党小沢一郎幹事長が1月27日に、「米国はオバマさんという黒人を選んでまで、」と話した。
これらは新聞記事のように「勇み足」でも「失言」でもない。本人の理解力と表現能力を表したものだ。
とくに鳩山氏の場合にはかなり自己中心的な性格による「勝手な判断」であり、夢想家の様相を呈している。そして小沢氏の場合にはまったく旧世代の自民党時代の封建体制下の発想をもつことと、人種差別と時代錯誤が隠れていることがm問題だ。小沢氏の発言は、金と政治に対する時代錯誤の観念と同様に映る。
いずれにしても政治家は「言葉」であることの認識が欠如している。この点では麻生前首相と似ているが、麻生氏の場合には認識不足なのではなく無知識と非常識が原因だった。その意味では小泉元首相が「言葉の天才」と呼ばれていた点と対照的だ。
日米の対中国と対北朝鮮に対する防衛意識、反共同盟だったアセアンの意義、米国の人種問題、英語での外国人とのコミュニケーションでの常識など、鳩山氏も小沢氏も世界観が不足している。
これからは世界観の話せるリーダーが必要だ。