組織の危機管理

昨日、麻生氏が衆院選惨敗で謝罪し、「責任強く感じる」と述べた。さらに「多くの同志を失い残念至極だ。責任を強く感じている」と続く。これは64年前の阿南陸相の言葉と間違うほどだ。
7月の都議選の大敗のときは「地方選挙と国政選挙は別」と息巻いていた。つまり衆院選惨敗の予兆が顕著に現れていたにもかかわらず、リスクを看過したのだ。英語でいえばconsequenceをまったく理解できなかったのである。これは無謀というか企業経営者であれば完全に失格である。
さらに今回は公明党も党首が議席を失い、惨憺たる結果だった。企業でいえば兄弟会社であるが、都議選のときにも自民党に危機感を伝えたような報道はされていない。仮に公明党自民党の女房役(死語かもしれないが)だとすると、その役目を果たしていない。順風満帆のときならいざしらず、亭主の政治生命が瀕死の状態にあるときに、暴走(選挙政策の失敗)にブレーキもかけられず軌道修正も図れなかった。公明党は一体何だったのか?
これは戦況が悪化し、負けることが確実になった上でも「戦況は我らに有利」と声高に叫んだ大本営発表と同じ発想である。つまり自民党幹部は陸軍・海軍と同じ思考回路で、国民(候補者)が玉砕するまで無意味な闘いをさせていた。その意味では自民党の発想は戦後の55年ではなく戦時中の45年である。
この発想が企業経営者にもないだろうか?自らの既得権益を守り抜くために、外部の情報を遮断し、自らが死す間際まで従業員を働かせ、社員が全員玉砕となる企業経営者である。