経済政策を間違える日本(その1)

以前にも書いたが、ハードというもの作りだけを奨励する日本の役所の考え方は2つの意味で日本を衰退させている。
1つには日本経済のガラパゴス化をもたらしている、経産省総務省などの予算のバラマキである。彼らの産業支援、技術開発支援は、既得権益に乗っかっているメーカーを保護し、彼らの現状のシステムの上に成り立つ技術開発に金を出している。しかも多くの場合、新たな研究開発の結果や成果が「革新的」であり、また既存のシステムに構造転換を余儀なくさせるほど「素晴しい」ものであればあるほど、その新技術は「おはこ入り」になり蓋をされて二度と日の目を見ない。既存の産業構造に変革をもたらし、邪魔となるからである。
本来、税金を使った技術開発が成功すれば、新規事業分野を開拓し、あらたな市場デザインをもたらし、新規市場プレーヤー参入を促すことにつながるのだが、それらは結局「業界の和」に潰され、使った税金は役所のマスターベーションとして忘れ去られるのである。
これら国内で日の目を見ない素晴しい技術は外国での事業化により日の目を見る可能性が高いのだが、日本のメーカーの国頼みの発想と海を渡れないボケた経営者、そして海外展開を支援できないベンチャー企業を含めた腰抜け金融機関によって、日本の開発技術はお蔵入りとなる。
本来の技術開発とは、世界の競争から特殊な技術で勝つのではなく、市場開放とイノベーションの結果、世界の競争の中で勝つことであり、井の中の蛙メーカーはいずれ大海からは見放される。