北朝鮮と2国間交渉を

23日の「議論と外交」で述べた事態に対してやっと政府でも出遅れ感が認識されたようだ。今朝の日経には「北朝鮮の対話路線、政府が「置き去り」を懸念 米韓に連携求める」との記事が出た。
この記事にあるように、問題は日本の「北朝鮮の出方を注視」したり「米国、韓国に連携強化を求める方針」なのである。米国は北朝鮮と停戦協定があるだけで実質的には戦事下の停戦中である。それは韓国も同じだ。しかし両国とも2国間での戦時協定を平和協定に踏みかえる動きがあると思われる。そうでなければ北朝鮮が6カ国協議にも入らない可能性があるからだ。
日本国政府は2国間の努力は放っておいて、「米国と韓国と連携を密にする」いわゆる根回しだけで国益が確保できる訳が無い。クリントン氏は人質を解放できたし、現代グループも同様に北に拘束されていた社員を連れ戻した。ところが日本は指をくわえているだけだ。
日本は平和を唱え、米韓を頼りにし、北朝鮮の動きを注視していても何も得るものは無い。さらに米韓が交渉を始めているのに、先制攻撃だ何だと遠吠えを繰り返しても何の進展にならない。このままでは米韓、そして中国がすべて2国間交渉を決めたあと、結局拉致問題の解決で日本が最後となる。その責任を日本国政府と外務省は取れるのか? 何が起きてもおかしくない世界政治の中において、麻生氏・自民党のエゴで政治空白が長引いた責任は思い。選挙演説以前の問題だ。
民間レベルでも三菱重工などで賠償問題を契機に一気に交渉に入る度量のある経営者はいないのだろうか?政治家の暴走を許さないヒーロー不在の日本が情けない。