暴論:下克上のススメ

緊張感を損ねる平和ボケは災害や危機に際して迅速かつ適切な判断を歪める。何十年も続いた平和ボケはなかなか治らない。だから世代交代が必要とされている。
日本は少子高齢化といえば聞こえがよいが、実際は老人天国だ。老獪な世代のおごりとわがままが(とくに国会議員で)目立つ。彼らは他人に失礼なことをしても平気だ。
彼らは余命が長すぎるから利己的になるのかもしれない。余命がいつ果てるかもしれなければ、後進の将来を重んじるはずだからだ。周りを見回しても20代30代の社員に向って20年後30年後のビジョンをもち改革を進めるよりは自らのハッピー・リタイヤメントを重視する経営者ばかりだ。
彼らには世相の動きは必要ない。さらに外部情報は世の中を革新するから嫌悪の対象だ。これではイランの神学者と同じ発想だ。日本では、インターネット、携帯メールの使えない(つまり外の視線や世界観をもつデータにアクセスする方法をもたない)経営者、議員、司法関係者、御用学者はすでに陳腐化している。
さらに悪いのはポピュリズムへの媚びだ。大衆芸能がテレビに蔓延し、ほとんどのメディアで大衆芸能と政治(さらに外交)の区別がつかなくなっている。ワイドショー、バラエティ番組と報道番組を混同しているプロデューサーを降板させる報道倫理規定を作成すべきだ。
視聴者の受信料で番組を制作しているNHKにはポピュリズムへの媚びが必要ないのに、ときどき間違ったポピュリズムで世相をごまかしている。報道番組には正しい分析と解説が必要だが、報道番組に芸能タレントを出して人気取りをする稚拙な行動は言語道断だ。メディアは目的は正しくても方法を間違えたら失敗なのだ。
NHKにも一般企業にも、正しい意見による因習の打破と将来を見据えた改革が必要だ。組織、そして社会において下克上のサクセスモデルを作らないから若い世代が閉塞する。若者には暴力以外での下克上の気概が求められる。