表面の情報で踊る日本のメディア

金大中元大統領の死去をうけて訪韓した弔問団を通じて、北朝鮮のミッション団は、金正日総書記の南北関係改善に向けたメッセージを李明博(イ・ミョンバク)大統領に伝えた。しかし、韓国政府には「南北改善の雰囲気を米朝対話に利用するだけでは」との疑念も強く、6カ国協議再開など核問題の進展につながるかは不透明だ、と今朝の日経が報じた。
確かに拉致被害者の解決を前面に出す日本のメディアにはそのように書くほうが読者の受けはよいだろう。しかし、一部の識者が言うように、(お粗末な)ミサイルの発射や核実験などがコケ脅しであり、金青雲氏への政権移譲への国内向け宣伝効果を狙ったものであるとすれば、そしてクリントン氏や現代グループ会長への対応や故金大中氏の国葬へ派遣したレベルを見てよく考えれば、北朝鮮の外交姿勢は180度振り子が振れたとも考えられるのである。
今までのストーリーでしか情報を伝えられないメディアには分析能力が欠如していた、と後で振り返って指摘されないことが重要だ。