王国の崩壊

報道によると民主党鳩山代表の出馬する北海道が注目を浴びている。自民党王国の北海道では、民主党の攻勢から守りに出た町村、中川、武部氏らの閣僚経験者がどぶ板選挙に奔走していると聞く。
自民党の政策はもともと大企業よりで既得権益擁護だったが、2005年の小泉選挙では建前は「自民党既得権益〜をぶっこわす」だった。当時の国民はその「目的」に合意したが、小泉氏以後自民党政権ではその「方法」でつまづいた。それは反小泉路線を唱える反改革派閥が台頭した結果であり、小泉・竹中路線の「方法」の詰めの甘さと責任投げ出しを反映していた。
民主党政権交代を訴えているが、北海道などでは郵政族という巨大な既得利権にぶらさがっている。それは国民が4年前に選んだ政策の「目的」を否定する考え方だ。本来は小泉氏以降の自民党政権が取った「方法」の間違えを正すべきであり、国民が選択した既得権益の廃絶をよみがえらせようとすることは国民の意思に反する。
そもそも選挙とは受験と同じで受かった後に何を成し遂げるかが問題であり、当選したときに万歳三唱する精神構造は疑問だ。また上記の元閣僚の3名が初めてどぶ板選挙をすること自体、今までは既得権益に乗っかった選挙だったことを表している。さらに中川氏にいたっては今年2月のローマ酩酊事件の前にも飲酒による数多くの問題を起こしており、ローマではそれこそ国益を損ねる大失態を演じた。そして今月選挙前に「断酒宣言」を行ったが、なぜ「禁酒宣言」でないのか理解できないし、そもそも中川氏に特権意識がなければあれほどの失態の後で再出馬しようとは思わないだろう。自らの結果責任に甘い議員が国政に参加することは危険だ。
地元の既得権益にすがる議員や、この期に及んで郵政族既得権益を守ろうとする王国はまもなく崩壊していくだろう。今こそ過去を振り返り、郵政民営化の現状を総括し、本筋を目的と方法に分けて論じることが重要だ。