航空旅客は機材を選ぶ時代

今年初めのデルタ航空のノースウェスト航空との合併によって、6月から成田‐ポートランド線の機材が新鋭のA330から旧式のB767に格下げされた。
B767は、エコノミーでは個人画面もVODもないし、ビジネスクラスでは旧式のシートと小型の画面がかろうじて付いている程度。昔の欧州の航空会社を思い起こさせる。さらにイヤホンジャックは旧式の2ピンなのでBoseは使えないし、トイレには紙コップさえない。
デルタ航空によるとB767の方が燃費がよいと言う。この機材は米国と南米諸国を往復するルートに使用されていたようだが、日本やアジアを軽視していると思われる。機内アテンダントや地上係員に聞くと「B767に対する乗客からの苦情が絶えない。」という。その結果、この路線の需要が落ちてきている。
世界経済を引っ張っているのは日本や中国・韓国などのアジアであり、今後の展開を考えれば、新生デルタの判断ミスは太平洋線の収益低下を招くだろう。
最近の航空旅客は使用機材を選んで航空会社を選択するのである。